医院経営コンサルティング・経営改善支援|大阪・神戸・京都

医院/歯科医院/病院の経営相談・コーチング・コンサルティングを行うMASパートナーズ代表 原聡彦が、日々の経営相談・コーチング・コンサルティング活動を通じて経営の現場から「学んだ事」や「気づいた事」を綴ります。

目標設定等支援・管理料について

目標設定等支援管理料の算定について事例を通じてお伝え致します。

1.目標設定等支援・管理料について
簡単に言うと、過去3カ月以内に目標設定等支援・管理料を算定していない場合に診療報酬減算されます。
減算は経過措置で平成28年10月1日から実施されます。
注意点は以下のとおりです。
1)対象は要介護被保険者等(要支援、要介護の認定を受けている者)である
 要介護認定を受けていない者は対象外であり算定できない。要介護認定の確認が必須です。

2)目標設定管理シートの交付のタイミング
 目標設定管理シートは、準じた様式も認められます。
したがって、現在、各施設で使用しているリハビリテーション総合計画書等の補助資料として作成することが現実的です。

 以上の注意点より、目標設定等支援・管理料の算定漏れによる診療報酬減算を防ぐ意味でも、リハビリテーション総合計画書等と合わせ、目標設定管理シートを全員に交付、説明した方が良いことになります。
準備の第一歩としてはまず要介護被保険者等の確認です。
以下に確認方法の事例をお伝え致します。

2.65歳以上の脳血管疾患等リハビリテーション、廃用症候群リハビリテーション、運動器リハビリテーションを実施している要介護被保険者等の確認方法
1)ヒアリングによる確認
当初、患者さんからヒアリングすれば介護保険認定の有無を簡単に確認できると考えておりましたが、実際にやってみると自分が介護保険の認定を持っているのかいないのかわからない人も多数いることがわかりました。

2)介護認定の有無がわからない人への対処方法
介護認定を持っているのかいないのかわからない人は介護保険証を見せてもらうのが一番確実です。
しかし、介護保険証がわからない人もお見受けします。こういう方たちに対しては初診時にご家族と来られることが多いと思いますのでご家族に確認すると、かなりの確率の介護認定の有無を確認できます。
弊社のクライアント様では65歳以上の方を対象とした介護保険認定の問診票を作成し、なるべく初診時に正確な情報を得ようと試みています。
(問診票の項目事例)
・介護認定を持っているか?
・どこか施設に入っていないか?
・デイケア・デイサービス・訪問ヘルパーなどのサービスは利用しているか?
上記の項目を入れた問診票を準備して患者さんに確認します。上記の問診内容がわかれば目標支援設定管理料の様式を作成するときに今使っていないサービスがあれば医師が紹介することもできますし様式作成の時間の短縮につながりますのでご活用ください。

3.介護認定の有無を確認できるスクリーニング
上記1)2)を実施してもご家族も来られずにまたご本人もわかっていないケースは介護認定の有無を確認できませんので別の切り口で確認する術を持つ必要があります。

例えば、次のようなスクリーニングを行います。
Q1.担当のケアマネージャーがどこの人かわかりますか?
→A1:名前が分かっても事業所がわからない場合が多い
Q2.今どこか通われていますか?
→A2:いってるよ。(デイケア・デイサービスかもしれないし、デイサロンかもしれないので確実ではない)
Q3.誰か部屋の世話をしてくれている人はいますか?
→A3:きてるよ。(シルバー人材かもしれないしヘルパーかもしれないので確実とは言い難い)

上記のスクリーニングをしても介護保険サービスを利用しているのかは確定的にはならないこともあります。
そのような時に何を聞けばいいのか?
それは自宅の手すり設置とベッドや歩行器のレンタルをしているかどうかの有無です。
この二つはよほど特殊な人でないと介護保険を利用せずに使用することができません。
最近手すりを設置したとか、ベッドを借りているという状況は介護保険サービスを利用しているということをご確認ください。
自分の家の事なので、覚えている事も多いという結果も出ております。
手すりやレンタルをしている人は介護保険認定者である可能性が極めて高く、認定を持っていると思って対応してほぼ問題ないと思います。
以上、介護保険の認定の有無を確認する方法をお伝えしました。参考にして頂ければ幸いです。

2016年9月7日

 

クリニックにおける看護師の育成事例

クライアントの院長先生から「昨年、苦労して採用した看護師が1カ月未満に相次いで退職してしまった。」「新人ナースが思うように育たない」という看護師の育成についてのご相談をたくさん頂いております。そこで、今回は看護師の育成に熱心に取り組んでいる弊社クライアントの事例をお伝え致します。

1. 退職するスタッフの意見を集める
弊社のクライアントの大阪府の整形外科クリニック様では、退職するスタッフから職場の働きにくいところや先輩の指導方法について意見・考えを集めた結果、退職するスタッフの意見は下記のとおりとなりました。
<退職するスタッフの意見まとめ>
・指示だしが速すぎるし仕事を急かれるので、これまでできたことができなくなった。
・看護師の業務範囲が広すぎてレベルについていけない。これまでの経験を生かせない。
・聞きにくい雰囲気があり常に先輩方の顔色を見ながら仕事をするのは嫌だ。

  院長や指導した先輩の看護師からすると、クリニックの業務のやり方などスキルを伝えて看護師として早く仕事に慣れてもらうために指導してきたつもりでした。しかしながら、教えられる側からすると、スキルより心の不安のほうが大きいという事が上記の意見より把握することができました。

2. 心へのアプローチ
退職するスタッフの意見の中には院長及び指導した看護師にとってはとてもショックで耳の痛い意見もありましたが今後の看護師の育成の貴重な意見として捉えて新人看護師への心のアプローチをいかに実践するかを考えました。以下、実践した内容です。

①日々の声かけ
このクリニックでのスタッフ同士の声かけは「名前を呼ぶ+言葉がけ」と定義しています。例えば、出勤時は「〇〇さん、おはようございます」という事を声かけとしています。

②業務日誌を通じてコミュニケーション
新人看護師には1カ月間、業務日誌を書いて頂いています。この日誌には必ず指導看護師、新人看護師に関わる管理者が業務に関する悩みや不安を和らげるような励ましの言葉を書く事になっています。

③担当業務をもつ
このクリニックでは薬品や松葉づえなどの在庫管理、疾患パンフレットの管理を看護師の担当業務としております。入職後1週間で担当業務を受け持ってもらってクリニックでの役割を担ってもらいます。最初は先輩看護師と一緒に取り組むことでコミュニケーションをたくさん持つ事ができるので教える看護師、教えられる看護師の関係性が良好となりました。

④個別ミーティング
上記②の日誌の情報をもとに新人看護師の業務に関する不安、悩みに個別で対応するミーティングを行います。このクリニックでは入職後1週間~2週間は頻繁に個別ミーティングを行い新人看護師との信頼関係を構築しています。

⑤ナースミーティング
このミーティングでは月2回程度、看護師全員が集まって、院長の要望事項、診療プロセスの確認、業務上の不具合、困っている事などを情報共有しています。また、新人が苦手とする看護技術の習得に向けての全体研修を院長かリーダー看護師が全員に向けて技術指導を行います。

上記のアプローチを実践し続けた結果、新人スタッフから聞きにくい雰囲気という意見も少なくなりました。技術と心の不安も随時、解消できるようなコミュニケーションの機会を増やした結果、このクリニックでは1カ月未満の離職率は低くなりました。

やっとのことで採用した看護師に長く勤務してもらうために、自院で実践できる看護師を育成するシステムをご検討頂く事をお勧め致します。

「新人看護師が育たない。」「苦労して採用した看護師が1~3カ月いないで相次いで退職してしまう。」「看護部に一体感がない。」など自院の貴重な看護スタッフにお悩みのクリニックの院長、院長夫人はご相談ください。

2016年8月11日

 

クリニックの業務改善を実現する3つのツールとノウハウ

2016年2月11日の祝日、「クリニックの業務改善を推進する看護師・ドクターズクラーク養成講座」を開催しました。
講師は私ども自慢の大切なクライアント様である永野整形外科クリニックの皆様にご登壇頂きました。今回のブログではセミナーレポート(前編)をお伝え致します。
セミナー写真1写真3
今回のレポートではナースリーダー様から発表のあった「クリニックの業務改善を実現する3つのツールとノウハウ」についてレポートさせて頂きます。

①業務改善委員会
セクショナリズムになりがちな医療現場において日々の業務に関する疑問、問題、改善事項を話し合える場をつくるために業務改善委員会を設置しています。委員会のメンバーは受付事務、ドクターズクラーク、リハビリ、看護師など各部署から1名で委員会メンバーとして参加しています。日々、業務にあたるメンバーの自主性の発揮及び気づき能力を促進するために役立っています。

②SPD方式の在庫管理
当初、在庫管理システムが確立されていなかったので講師となったナースリーダーの発案で適正定数管理のできるSPD方式の在庫管理を行う事になりました。SPD方式の在庫管理を導入するまでの準備として【適正定数調査⇒定数カード作成⇒管理方法の変更をスタッフに周知⇒開始日を決定⇒物品にカード貼り】を実施しました。SPD在庫管理のメリットとして発注時間の短縮など在庫管理に要する時間の削減。限られたスペースでの物品管理。期限切れ在庫がなくなる。など多くのメリットがあります。

③インカム
飲食業でおなじみのインカムですがこのクリニックではインカム発信・受信ルールを整備し導入して2年になります。導入の目的はスタッフ間でリアルタイムの情報共有が可能となり患者さんへのおもてなしにも役立っています。

以上、参加して頂いた皆様から関心の高かった「クリニックの業務改善を実現する3つのツールとノウハウ」についてレポートさせて頂きました。読者の皆様の参考になればうれしく思います。セミナーでは失敗体験から発案された創意工夫をたくさんお話頂きました。失敗体験からたくさんの気づきがあり、成果の出るヒントを得ることができることを改めて教えて頂きました。

2016年2月21日

 

院長のための人事マネジメント~ストーリーを語ること~

「なんで同じ日本人に日本語を話しているのに言葉が通じないだろう!?動かないのだろう!?」とスタッフとのコミュニケーションで悩む院長の声をたくさん聴きます。

人を動かす立場の人は立場上の違いを認め、それぞれの世代や背景に合った「コミュニケーション」をしていかなければなりません。今回は人を動かすためのコミュニケーションのひとつとして、「ストーリーを語ること」のメリットや基本的な作り方についてお伝えします。
1. ストーリーがもたらすメリット
メリットは大きく分けて3つあると考えております。
メリット1:聞き手が防衛反応や抵抗感を起こしにくく、受け入れやすい。
ストーリーは、相手に対してある「考え」を一方的に押しつけたり、強いることは基本的にありません。そのストーリーを聞いて聞き手がどのような「解釈」をするかは自由です。だからこそ、聞き手は身構えることなく、安心して聞くことができるわけです。

メリット2:話し手のストーリーを聞き手が疑似体験できるため共感できる。
 私たちは優れたストーリーを見たり、聞いているときには、その物語のなかに入り込み、主人公と同じ体験(疑似体験)をしています。そして、涙を流したり、笑ったり、喜んだりして、同じ感情を共有するわけです。この状態を「共感」と呼びます。

メリット3:単なる事実やデータと違い、記憶に残りやすい。
 記憶との関連です。突然ですが皆さんに以下の二つの質問をさせて頂きます。
質問1:昨年の日本のGDPの成長率は?
質問2:人生で初めてデートした相手の名前は?

いかがでしょうか?どちらもすぐに答えられるでしょうか?
何をお伝えしたいかというと、質問1はデータや数字についての質問であり、関心があったり仕事と深いかかわりがある数字であれば答えられると思いますが、多くの場合、新聞やニュースで見たり聞いたりしていても覚えているのは一時的で長期的な記憶には残りにくいと思います。一方、質問2の質問はおそらく答えられる方が大半だと思います。
 なぜかというと、初めてのデートというのは、ドキドキして、嬉しく、楽しく、私たちの感情が動く経験だからです。脳の仕組み上、感情が強く揺り動かされた経験というのは、優先的に脳が記憶しておいてくれるという自動装置になっています。
 感情を揺さぶる「ストーリー」を見たり聞いたりしたときには私たちの記憶に長くとどまることが可能なのです。
では、聞き手の感情を揺さぶるストーリーはどのように作ればいいのか?ストーリーの組み立て方をお伝えしたいと思います。

2. ストーリーの組み立て方
ストーリーについて下記のような定義づけを行っています。
 「ストーリーとはある主人公の経験、および、その経験が主人公や周囲に与えた影響や意味づけ・意義を含めて、その一連の流れを時系列で描いたもの」と定義しています。

 ハリウッドの映画であれ、おとぎ話であれ、組織の創業者の汗と涙のストーリーであれ、ストーリーの「基本の組み立て」は下記のようになっています。

<ストーリーの基本の組み立て>
 STEP1 現状:主人公が置かれている現状 
             ↓
 STEP2 事件:主人公の身になんらかの事件や困難がふりかかる
             ↓
 STEP3 危機:バランスを失い、現状のままではいられなくなる
             ↓
 STEP4 選択:葛藤のなかで主人公が望む方向に向かって選択・決断をして行動を起こす
             ↓
 STEP5 解決:何らかの変化や方向転換が起こり、結論に至る

現代の名経営者の一人として有名なジャック・ウェルチ氏は「あなたの最大の特徴は何ですか?」と問われ、「私はストーリーを伝える方法を知っているだけのこと」と答えています。名経営者であればあるほど、「ストーリー」の重要性を深く理解しており、ストーリーを語ること」を最大の武器にしていることがうかがえる言葉です。

組織で語られるストーリーは明確な「教育的見地」を持って語られます。言い換えると、スタッフに「こういう行動をとってほしい」「こういう理念を理解してほしい」「この経験から、こういうことを学んでほしい」という意図が明確にあります。そこに誰もが理解しやすく、イメージがわくような「ストーリー」を介在させることで共感を喚起します。共感は浸透のスピードを速めます。ストーリーはメンバーの意識や行動に変化を起こすための「触媒」の役割を果たしているのです。
強い組織のリーダーは例外なくストーリーを語る達人です。組織が経験してきた成功と挫折の物語、あるいは、自分の生々しい経験を語ります。そして、そのストーリーを通して、なぜその理念・価値観が大事なのかということを伝えます。ぜひ、クリニックのリーダーとして想いのこもったストーリーをスタッフに語る事にチャレンジして頂きたいと思います。

2016年1月25日

 

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