ご支援先の院長先生より、電子カルテを効率的に活用するためのアイデアを求められるケースが多くあります。院長が診察をしながら電子カルテ入力をするのは、至難の業で、どうしても、患者さんの顔を見ないで電子カルテの画面を見て診察してしまうので患者さんとのコミュニケーションが少なくなり患者さんの満足度が低くなる傾向にあるようです。今回は電子カルテを効率的に活用しているクリニックの事例をお伝えします。
<クリニックに配置されるドクターズクラーク>
私どものご支援先の整形外科クリニックですが、診察室にドクターズクラークが配置されています。 読者の皆さんはドクターズクラークという職種はご存知ですか(クリニックによってはシュライバーと呼ばれています)?
ドクターズクラークとは、医師事務作業補助者といわれる業務を担当します。
院長の電子カルテ入力作業を助け、診察がスムースに行われるように、院長のとなりで、カルテに向かって座って仕事をしています。入院施設をもつ病院の外来や病棟で配置されていることもありますが、クリニックレベルでの配置はまだ少ないと思います。
開業医は院長一人でその業務範囲は膨大です。そこで、ドクターズクラークは、少しでも診察中の院長の事務作業を減らし、カルテに向かう時間を少なくすることで、患者さんとの対話の時間を増やす、事務作業がスムースに流れることで、患者さんの待ち時間を減らすことが役割です。
<ドクターズクラークの人選方法>
ドクターズクラークの人選は、まず、キーボード入力が一定の早さで行える者、治療の流れをある程度理解している者、院長の動きに自分の動きを合わせていきたいと考える者といった視点で考えます。例えば、診療助手として、院長、看護師の業務をそばでいつもみる機会が多いスタッフや、医療機関の勤務経験をもち、人の動きの先を読む力のあるスタッフを選ぶといいでしょう。
<ドクターズクラーク養成研修>
弊社がサポートしているクリニックでは、そのクリニックの外来で症例数の多い疾患のパンフレットを読み合わせて理解してもらい、電子カルテの医師篇のマニュアルをイチカラ、カルテを触りながら読み進めていくといった研修を毎週行いました。
ただ、このクリニックではこの研修や役割の重みを感じ、突然、退職するスタッフもいて、ドクターズクラークのデビューまでにはたいへんな道のりでしたが、研修期間3カ月でデビュー実現しました。
<ドクターズクラーク導入の効果>
紹介状をはじめ文書関係の処理の速度や初診や初再診患者さんの所見作成にかかる速度の効率化、病名の管理やコストのダブルチェックといった点で、院長の業務をサポートし、患者さんへの待ち時間、満足度などに対しての成果もでていると感じます。
また、ドクターズクラークがデビュー前に期待していなかった効果の一つとして意外だったのは、看護師からの声です。
ドクターズクラークは基本的に院長の診察にピッタリついていますから、看護師は処置やその準備などで診察室を離れても、その間の指示をドクターズクラークに確認できるので院長に同じ指示を何度もだしてもらわなくてすむということが、看護師を楽にするのだということでした。
そして、今では院長も「ドクターズクラークのいない診察は考えられない」とドクターズクラークの価値を十二分に感じておられているようです。
フォローの一環として、ドクターズクラークミーティングを月に一度行い、業務上での困り事や、業務効率を上げる便利な機能などを共有し、ドクターズクラークから院長へ直接伝えにくい要望は、コンサルタントが伝えたり、内容によっては直接伝えられる場面を作ったりして、「仕組み」で解決できることは「仕組み」を変えたりして工夫しています。
今後、クリニックでドクターズクラークが活躍できる場をもっと作っていきたいと思いますし、ドクターズクラークという職種の価値を世の中に広めていきたいと考えています。
最後までお読み頂きありがとうございます。感謝!
2013年4月14日
2012年11月18日(日)弊社主催で「クリニックで今すぐ使える!接遇セミナー」~院長・スタッフ・患者さんとのコミュニケーションを改善できる~を開催しました。
6名の方にご参加を頂き、ロープレ、ワークショップありの参加型の勉強会でやらせて頂きました。
講師は、永野整形外科クリニック(奈良県 香芝市)の事務長 永野光様と受付リーダー 萩原道子様を講師に迎え、クリニックの現場で実践してきた接遇ノウハウと教育システムを公開して頂きました。
<セミナー内容のダイジェスト>
☆多くのクリニックが接遇研修などに取り組んでいるが、現場で生かされていないのは、個人のスキルに依存しすぎている。個人のスキルに依存すると、チーム力が高まらない。
☆個人レベルではなくチームレベルでクリニックの接遇力を高める事によって、患者さんにとって快適なクリニックとなりスタッフにとっては働きやすい職場となり院長にとっては誇りに思えるクリニックとなる。
☆チームレベルでクリニックの接遇力を高めるためには、「スタッフ間コミュニケーション」「院長とのコミュニケーション」「患者さんとのコミュニケーション」 3方向のコミュニケーションを高める事がポイントとなる。
☆新人さんの加入にどう対応していますか?新人さんを早期戦力化するための考え方。仕事の出来栄えを見極める「業務日誌」を活用する。
☆専門職と事務職はよい関係を築いていくための仕組みを作る。
☆スタッフ同士、仕事の中で声かけのできるイベント、ミーティングをつくる。
☆笑顔の大切さ。笑顔は人種・民族を問わず、「戦わない、敵意をもたない」という意味をもっています。それから「好意をもっている」や「歓迎している」の意味をもち、更には、「安心」「承認」「感謝」「安らぎ」などの意味もあります。要は、人間関係を、安全でプラスにつなぐ方向で役立ってくれます。
今回のセミナー内容は、ウルトラCの秘策ではなく、日々、当たり前の事を積みあげ、クリニックの雰囲気や風土にあったやり方で仕組み化し習慣になるまでやり続ける事に、チームレベルで接遇力を高めることができると改めて感じました。
ぜひ、スタッフの接遇レベルを向上させたい院長先生、奥様は、クリニックの雰囲気や風土にあったやり方を見つけて頂きたいと思います。
セミナー内容や接遇教育について、詳しくお知りになりたい方やご相談されたい方はご連絡ください(今回の講師にもご相談頂けます)。
最後までお読み頂きありがとうございます。感謝!
2012年12月17日
こんばんは。医業経営コンサルタント
原聡彦(はらとしひこ)です。
先週より、今年、最後のコーチングセッションを実施しています。私が独立してから医療機関の経営者である院長や院長夫人、会計事務所経営者である税理士、会計士の先生方を対象としたコーチングに力を注いでまいりました。
最近、コーチングセッションを通じて優秀な経営者の共通点を発見しましたのでお伝えしたいと思います。
1.起こっている問題や現象の意味を自責で捉えている。
優秀な経営者は、経営の現場で起こっているさまざまな問題や現象について、「この出来事は何を意味しているのか?」自分自身に問いかけている。決して、他責ではなく自分の責任として考えている。経営者は孤独です。
2.常に患者(クライアント)とスタッフに向き合っている。
優秀な経営者は、五感を通して、顧客と従業員に向き合っている。そして、相手の心、気持ちを発見する感性を例外なく、持ち合わせている。
3.成長段階に応じて、自分自身をリセットしバージョンアップさせている。
優秀な経営者は、驕り、たかぶり、自信過剰を捨て去る時期を敏感に感じとる感性を持っている。そして、捨て去るタイミングが来たときは躊躇なく捨て去ることができる実行力も兼ね備えている。
以上、コーチングセッションを通じて優秀な経営者の共通事項をお伝えしました。
私は、経営者として、まだまだ未熟と自覚しておりますが、優秀な経営者に1歩でも近づけれるよう努力してきたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
感謝!
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
2010年12月26日