高額所得者の大増税時代をむかえクリニックの院長先生からMS法人の活用についてご相談を頂く機会が増えております。
今回より全3回シリーズでMS法人についてお伝えしたいと思います。
第1回目はMS法人とはどのような法人なのか?どんな目的で運営するべきなのか?私のこれまでの経験をもとにお伝えしたいと思います。
☑MS法人とは?
MS法人とはメディカル・サービス法人の略称です。名前が示すとおり病院やクリニックの医療関連業務や周辺業務を行う目的で設立される会社です。例えば、医療機関との間で医療機器のリース取引、医療機関に不動産を賃貸借契約、受付事務の業務請負契約などの取引が行われています。
☑MS法人の目的は? ポイントは節税を主目的としたものではなく節税を手段として次の三つの目的を実現させるための法人ですのでご注意ください。
① 医療の純粋性の確立
「診療と管理の分離」を志向しクリニックの院長にできるだけ診療に専念できる 環境を整えることを目的とします。
② 医療の継承性を確立
経過措置型の医療法人(出資持分ありの医療法人)に限り出資持分は株式と同じ扱いで時価評価されるので相続財産となり、継承の際、納税負担に苦慮します。そこで医療法人に留保される利益を合理的な経済取引でMS法人へ利益移転させ継承をスムーズにする目的でMS法人が活用されます。
③ 老後生活の安定性
MS法人は株式会社や有限会社、合同会社など一般の会社の形態が多いので医療法人のように事業の制約を受ける事もなく事業を展開でき、クリニック引退後、MS法人の代表となって役員報酬を受け、引退時には退職金を支給する事もでき老後資金に充てる事もできます。また、不動産を多くお持ちの院長は個人からMS法人へ所有を移転させ相続対策にも活用している事例は多くあります。
今回はここまで。次回はMS法人の事業分野についてお伝えします。最後までお読み頂きありがとうございます。感謝!
2012年11月2日